「やっぱりnontroppoはボギーのアイデンティティやけんさ、おれが東京に呼ぶけんツーマンばやろう」
マグミさんの男前発言によりそれはあっという間に実現された。たまたま昨年の11月、高円寺の某中華居酒屋でマグミさんとボギーが酔いどれながら交わしたそのやりとりを、隣りで聞いていたのが高円寺HIGHのブッキング担当者・則之くんだったからこそ速攻で決まった話だ。
あれから5ヶ月後の2024年4月5日、高円寺HIGHでMAGUMI AND THE BREATHLESSとnontroppoの2マンは無事開催の運びとなる。 イベントタイトルは「PC⚡︎YC」、よっぽど勘の鋭い方しか意味は分からないだろう。レピッシュの”ポコチンロック”とボギーの”ヨコチンレーベル”の略だ。ポコヨコ対決!
nontroppoは福岡のバンドなので、当日飛行機で東京入り。高円寺HIGHでライブをやるのは十数年前のワンマンぶりとなる。あのときはベーシストが寝坊して飛行機に乗り遅れ、ライブ開演10分前にギリギリセーフで到着するという冷や汗もののハプニングもあったが今回はその心配もない、なぜなら遅刻したそのベーシストはすでに脱退してしまったからだ。 現在はボーカルギターのボギー、キーボード洋平、ドラムスchangの3人バンド編成である。
しかもこんな特別な夜にサポートベーシストとしてバンドにグルーヴの彩りを添えてくれるのはウエケン(上田ケンジ)さん。今は小泉今日子さんとツアーを廻ったりしているプロフェッショナルのベーシストであるが、ウエケンさんとの出会いは杉本恭一さんが引き合わせてくれた。レピッシュとの縁はさまざまな出会いを枝葉のように広げてくれる。
いよいよ開演。まずはnontroppoのステージから、「酒池肉林」「プラカラーオーバードーズ」。南国のジェームズブラウンというコンセプトのファンキーかつ変態的プログレッシブな2曲からスタート!初見のオーディエンスはあきらかに戸惑いを感じておられる様子。これは踊っていい音楽なのか?そもそもどういうノリで聴けばいいのか?といったところだろうか。オーケー大丈夫!nontroppoを初めて見た人の反応はいつも最初はそんなところだ。
ゆっくり身体をほぐしてもらいながら徐々にそういう音楽であると理解していただけたタイミングでウエケンさんのベースが加わり、トロピカルでダンサブルな後半へ突入。ここから開放的に踊り出す人が増殖!最後は10分間踊りっぱなしの狂ったダンスナンバー「ナイト・オブ・トロピカリア」でトドメ。汗だく、やりきりました。
次はいよいよお待ちかねMAGUMI AND THE BREATHLESS。ステージ終えた汗を拭きながらビール片手にフロア前方へ、踊る準備は万端!一曲目から「リックサック」だ!!うわー!アガル〜!!!間奏で一気にトロピカルになるところが大好きで、その瞬間にスイッチ入り早くも缶ビール飲み干す。
この日のセットリストは「タンポポ」や「胡蝶の夢」などレピッシュの個人的にも大好きな曲連発でお得感がすごい!もちろんBREATHLESSの曲も驚くほどバリエーション豊かな、サイケデリックだったりDUBだったりビートルズ風だったりハードコアだったりとマグミさんの音楽的バックボーンの広さを曲ごとに感じれる。
一曲ごとにダンスフロア化し飲んだビールはそのまま汗に変わって流れる。後半には畳みかけるように「ハーメルン」「Magic Blue Case」と高校生のころボギーの人生を大いに狂わせてくれた名曲連発に涙腺崩壊!気づけば隣りのお客さんと肩組んだりして泣きながら笑いながら踊る人と化す。
さらにアンコールでは「ボギー!」と呼び出されレピッシュの大好きな曲「コントロール」をマグミさんと一緒に並んで歌わせていただき(前日にメールで「やろう」といきなり言われた…笑)これはもう舞うごつ幸せなセッション!!!
そんなわけで、nontroppoとMAGUMI AND THE BREATHLESSの狂宴はお互いに持ち時間を大幅オーバーしちゃうほど熱演のあまり19時にスタートしながら終わったのは22:30過ぎという、ツーマンとは思えないほどの大ボリューム…。最後までみんな笑顔やったけんよかよか。
ここで普通の人なら燃え尽きてしまうところだけど、ボギーもマグミさんも普通の人じゃないので、ここから打ち上げはさらにモリモリ盛り上がって朝まで続いたのです。そう、5ヶ月前と同じあの某中華居酒屋で、次の面白いことを企みながら(笑)。
おかげさまでレピッシュとの出会いからどんどん愉快な繋がりが広がっていく。人と人の出会いは点だけど、点と点が線に、そして面に!人生は面白い!そんなことを改めて感じさせるライブを企だててくれたマグミさんとHIGHの則之くんに心から感謝を。
ボギー(nontroppo / ヨコチンレーベル)